「掃除のプロフェッショナルが語る人生論」
今回は「掃除のプロフェッショナルが語る人生論」というテーマについて、
新津春子さん著「世界一清潔な空港の清掃人」をもとに考察していきます。
この動画を見ることによって、掃除のプロの仕事や考え方について学ぶことができます。
突然ですが、
仕事もプライベートでも何だか無気力で、やりがいを見出せない。
掃除をするきになれなくて、部屋もぐちゃぐちゃのまま…
もしそんなお悩みを抱えた方がいたらあなたはなんとアドバイスしてあげますか?
今回ご紹介することを実践していただくと、
世界一清潔な空港で働く清掃のプロの仕事から活力をもらうことができるでしょう。
「小さなゴールを達成し続けて、自分の仕事に誇りを持つ」
それでは具体的な方法を解説していきます。
一言でいうと「小さなゴールを達成し続けて、自分の仕事に誇りを持つ」です。
著者の新津さんは、世界一清潔な空港の清掃員として働いており、
清掃業界の技能大会で優勝した経験もある掃除のプロです。
しかし新津さんにとって清掃員という仕事は、決して自由に選択できたものではありませんでした。
新津さんは、戦時中に中国へ取り残された中国残留日本人孤児の2世。
春子さん自身は中国で生まれ育ち、
家族全員が日本語を話せないまま17歳の時に家族と共に日本へ帰ってきたそうです。
そして、日本語が話せなくても大丈夫だったのが清掃員の仕事でした。
「まだ社会的にも十分な地位にあるとは言えない仕事」と言いつつも、
新津さんはこの仕事に誇りを持って働いています。
本書では新津さん自身の体験から、仕事もプライベートも豊かにしていくためのさまざまな秘訣が紹介されています。
ここでは掃除のプロ直伝の人生を豊かにする秘訣について
ポイントを3つに絞ってみました!
・期限と目標とゴールを決める
・手を動かして、心を込める
・自分の仕事に誇りをもつ
ここからさらに詳しく、これらを一つ一つ解説していきます。
「期限と目標とゴールを決める」
まずはじめに「期限と目標とゴールを決める」について解説していきます。
「私、全国大会1位を取らないと、結婚しません!」
これは、プロポーズされた新津さんが恋人へ告げた言葉です。
17歳で日本へ渡り、清掃員の仕事に打ち込んできた新津春子さんの旧姓は田中さん。
結婚すると苗字が変わってしまうので、
「日本に来てから田中春子として何も残していない」と思ったのだそうです。
というのも、新津さんは子供の頃から
「何か新しいことをしたら、必ず成果を出す」ということを心に決めていました。
そこで、日本での暮らしを始めてから何も成果を残せていなかった自分に対して、
「全国ビルクリーニング技能競技会で1位を取ったら私は結婚しても良い」というルールを課すことにしたのです。
ちなみに、その目標はどんなことでもよかったのだといいます。
たとえば、腹筋を割る、本を一冊読み終えるなどの小さな目標でも良いのです。
大切なのは、「結婚したいから、結婚するまでに1位を取る」
というように、期限と目標とゴールを決めることです。
目標を決めて、それに向かって小さな成功を積み重ねていくことが本書のおすすめするポイントです。
清掃技能を極めることも新津さんにとってのゴールのひとつでした。
例えば皆さんにとっても「1週間毎日鏡を磨く」などのほんの小さな目標でも構いません。
目標までの小さなゴールを達成し続けるうちに、自分の中に習慣と技が残っていることに気づくはずですよ。
「手を動かして、心を込める」
続いて「手を動かして、心を込める」について解説していきます。
常日頃から誰もが取り組む掃除という作業。
しかし対象物はいつも清潔なものとは限りません。
トイレや排水溝など水回りの掃除は特に、触るのも嫌だな、面倒だな、と思うこともしばしばですよね。
しかし新津さんは、汚れを見つけたら「あった!」と喜ぶそうです。
そして、汚れに駆けつけて、喜んで落としていくのだとか。
その背景を新津さん自身は「心を込めること」だと語っています。
重要なのは、清掃するものや、それを使う人を思いやる気持ちです。
心を込めて考えて掃除をすれば、
よりよい仕事をするためのさまざまなアイディアを思いつくのだといいます。
やる気がでなくて困っているという方も多いと思いますが、
人間は手を動かしているとやる気が出てくる生き物です。
それに心が追い付いてくると、綺麗にしようという意思が働きます。
こうして空間全体が綺麗になると、掃除をした自分自身も気持ちよく仕事を終えられますよね。
小さな場所から、ちょこちょこっと手を動かして掃除をしてみてはいかがでしょうか?
そして、その場所に集中して心を込めて綺麗にするのです。
そうすることで、お部屋全体を綺麗にしよう、綺麗に使おうという気持ちが芽生えてくるはずですよ。
「自分の仕事に誇りをもつ」
最後に「自分の仕事に誇りをもつ」について解説していきます。
著者・新津さんが清掃員の仕事を始めてから、忘れられない出来事がありました。
お客様が清掃をしていた新津さんの目の前にゴミをぽいっと投げ捨てて行ったのです。
「お前が拾って当然だ」という態度で、すぐそばにゴミ箱があるにもかかわらず…。
清掃員はまるで召使いか透明人間。
そんな風に扱われることも少なくないのだと新津さんは語ります。
待遇も社会的地位も十分な地位を確保している仕事とは言えない側面があるのかもしれません。
しかし新津さんは、清掃の仕事に誇りを持っています。
職場である空港を自分の家だと思い、
「自分のお家に来てくれた人を清潔な空間でおもてなしする感覚」で磨き上げるのだといいます。
清掃員の仕事を認めてもらうには、
私たち清掃員が良い仕事をするしかないとも語ります。
「ここのトイレはいつも綺麗で気持ちが良いね」と褒めてもらった時には、
自分自身が褒められた喜びよりも「清掃の仕事が認めてもらえた」と喜びを感じたそうです。
掃除も家事も、その仕事に誇りを持って極めることができたら「職人」です。
そんな誇りを持って取り組むと、仕事ややるべきことにやりがいを見出せることでしょう。
【まとめ】
では最後にこの動画の考え方をまとめて振り返っていきます!
まず「目標に向かって小さなゴールを達成し続ける」ということ
そして「どんなことにも誇りをもって取り組み、職人になる」ということでした。
数多ある職業から自由に選べなかった、著者・新津さんにとっての清掃員という仕事。
しかし、どんな所にでもやりがいを見つけて追究すれば、
その道のプロと呼ばれるまでの技術と生き様がともなうものであると教えてくれる一冊でした。
まずは形を真似て、さらに考え抜くことでマイスタイルを確立すること。
新津さんの場合は、掃除にマイクロファイバー製のクロスを活用することで美しく磨き上げるスタイルを確立しています。
今回は掃除を通じて、仕事や人生について語られた本をご紹介しましたが、
暮らしの基礎である家事としての掃除にも通ずる部分がたくさんあるのではないでしょうか。
新津さんの仕事論・人生論から、
あなたの暮らしに取り入れられる秘訣を探してみてくださいね。