掃除を通して他者への配慮が出来、それが人に伝染して社会全体に広がる
突然ですが、どうして人は掃除を行うのでしょうか?
誰かに言われたから行う?それとも人に認めてもらいたいから行う?
小さいころから当たり前に行ってきた掃除ですが、そう考えると深すぎてわからないですよね。
今回ご紹介することを実践していただくと、
掃除という行為によって他者への配慮ができる人がほかの人にもその良さを伝染させ
それが学校・職場・地域みんなに良い影響を及ぼすということの学びが得られます。
また今回取り上げる内容は
例えば社員教育の一貫としてより良い人材を育てるためには
どうしたらいいだろう。と迷われている管理職や経営者の方・指導する立場の方にも参考にしていただける内容となっています。
「掃除は凡事徹底の心で継続して行おう」
それでは具体的な方法を解説していきます。
一言でいうと「掃除は凡事徹底の心で継続して行おう」です。
凡事徹底(ぼんじてってい)とは
なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと、
または、当たり前のことを極めて他人の追随を許さないことです。
日本では学校教育でも掃除が取り入れられているなど、掃除とは日常生活において当たり前のことです。
そんななんでもない当たり前な掃除は徹底して行うことで、
人の心を磨き、人を気遣うことができるようになる。
またそれが違う人へ、また違う人へと伝染し、
やがて社会全体に他人へ気遣える人が広まっていくということを本書では書かれています。
ここでは凡事徹底の心で行うお掃除に必要なポイントを3つに絞ってみました!
・トイレ掃除は最初に
・掃除の取り組みが会社を変える
・凡事徹底の精神を社会に
ここからさらに詳しく、これらを一つ一つ解説していきます。
「トイレ掃除は最初に」
まずはじめに「トイレ掃除は最初に」について解説していきます。
本書では「トイレ掃除」はお掃除を行う順番として
一番最初に行った方がいいと書かれています。
なぜ最初にトイレ掃除なのでしょうか?
それは「日本を美しくする会 掃除に学ぶ会」でも使われている”5つの効用”に由来しています。
トイレ掃除の5つの効用
1.謙虚な人になれる
2.気づく人になれる
3.感動の心を育む
4.感謝の心が芽生える
5.心を磨く
これらについて詳しく見ていきましょう。
1.謙虚な人になれる
どんなに才能があっても傲慢な人は人を幸せにする事は出来ない。
人間の第一条件はまず謙虚で有る事。謙虚になる為の確実で1番の近道が、トイレ掃除なのです。
2.気づく人になれる
世の中で成果をあげる人とそうでない人の差は、無駄があるか、ないか。
無駄をなくす為には気づく人になる事が大切。気づく人になる事によって、無駄が無くなる。
その気づきをもっとも引き出してくれるのがトイレ掃除です。
3.感動の心を育む
感動こそ人生。感動が生まれるには自分自身も感動しやすい人間になることです。
手と足と身体を使い、さらに身を低くして取り組むトイレ掃除は、感動の心を生む最良の実践です。
4.感謝の心が芽生える
人は幸せだから感謝するのではない。感謝するから幸せになれる。
その点、トイレ掃除をしていると小さな事にも感謝できる感受性豊かな人間になれます。
5.心を磨く
心を取り出して磨くわけにはいかないので、目の前に見えるモノを磨く。
特に人の嫌がるトイレを綺麗にすると、心も美しくなる。人は、いつも見ているモノに心も似てきます。
以上がトイレ掃除の5つの効用でした。
他者への配慮を学び視野を広げ、人間性を高めるのに有効ですので、トイレ掃除を行う際は思い出してみてください。
ちなみにお坊さんが行う掃除のことを「下座行(げざぎょう)」と言いますが、
これは「身を低くして手足を汚すことをいとわず行う」という意味です。
つまり自分の手を動かして汚いモノを綺麗にする事で
自然に頭の中、心の中も綺麗に正しい方向に進み始められるのです。
「掃除の取り組みで会社を変える」
続いて「掃除の取り組みで会社を変える」について解説していきます。
こちらではお掃除を会社・職場で行う際のポイントを主に4点にまとめてみました。
1.社員の業務に掃除を取り入れるとは
日々の業務内容の中に掃除を取り入れるとどのような効果が表れるのでしょうか。
例えばとある会社の職場の雰囲気が自分の所だけ儲かれば良いという成果主義的な考えだったとしたら、
掃除を取り入れたことで他者への配慮が出来る社風へと変化がみられるようになります。
2.社内の雰囲気がよくなり仕事も効率化が図れる
社員が汚した所を掃除することで、掃除がどれだけ大変か身を持って知る事が出来ます。
それにより他人の痛みを知り、他人への配慮が生まれるのです。
また自然に整理整頓にも気づき動線もスムーズになり、
無駄な時間も減り作業効率もアップできます。
例えば退社時に自分の持ち場を紙ひとつ残さず片付ける習慣を定着してもらうのもオススメです。
3.掃除道具をしっかり揃えよう
掃除道具を揃える事はとても大切です!
いい加減な道具ではいい加減な掃除しか出来ません。
少々値が張っても用途にあった道具をキチンと手入れしながら使い分ける事が最も効率の良い掃除となります。
4.掃除に5Sを取り入れてみる
以前、お片付け研究室チャンネルの動画でも触れましたが
「整理、整頓、清掃、清潔、躾」 この5Sは社内で活用していただくと特に効果が期待できます!
再度取り上げますと
整理・・・いるモノと要らないモノを分ける事。
整頓・・・必要なモノをいつでも取り出せ、常に使える状態にする事。
清掃・・・自分の手足、身体を使うという事。
清潔・・・整理、整頓、清掃がキチンと出来た状態を維持し、汚さない仕組み、乱れない仕組みにする事。
躾 ・・・以上の四項目を習慣として身につける事です。
この5項目は似ている様で全て違うモノであり、繋がっているモノです。
誰が何をしているか、どこに何が有るかを明らかにし、
美しい環境で仕事をする習慣をつけると社内の風通しを良くすることができます。
また5Sを通して社員同士やお客様に対して配慮する心を養っていくことができますね。
「凡事徹底の精神を社会に」
最後に「凡事徹底の精神を社会に」について解説していきます。
当たり前のことだけで徹底して掃除を行うと、掃除のもたらす効果は社会全体に広まります。
一人が掃除を行ったとすると、それが人へ人へとどんどん伝染していくことで
社会全体に掃除の効果で他人へ気遣いや配慮のできる人が増えるということです。
つまり
自分自身や、会社、地域を良い方向に導く為に1番必要な事は凡事徹底の精神だと著者は唱えています。
また日常に焦点を戻すと
小さな乱れを放っておいたり、
小さな事がキチンと出来ないのに急にビッグなことをやろうと言うのは実質難しいものがありますよね。
例えば身だしなみも整えられない、挨拶も出来ないと言い張る人が
「他の事は一生懸命やります!」と言っていても詭弁に過ぎません。
立ち居振る舞い、身だしなみからスタートし、全てにおいて自分が責任を持てる行動をし、
責任を持てる後始末のしかたをしていかなければなりません。
凡事徹底の第一条件は全てのモノを生かし尽くしていくことです。
凡事徹底の精神は全ての事に行き届いている必要があります。
1度志したら寝ても覚めてもその事に取り組み続ける事が大事なのです。
大事なのは継続することで、
目の前の小さな事から積み重ねていけば、いずれ大きな事が出来る様になります!
社会からさらに地球規模の話になりますが、
凡事徹底の精神はいずれ地球環境の域にもつながり、モノを作る責任、モノを使う責任にもつながってくるのです。
【まとめ】
では最後にこの動画の考え方をまとめて振り返っていきます!
まず「掃除はトイレから行うことで、心を磨き、他人への配慮を身に付けることができる。」ということ
そして「凡事徹底の精神を掃除に取り入れ、小さな喜びを大きな喜びに」ということ
トイレ掃除をやっておいてねと言われて、いいイメージを持てる人はなかなか少ないかもしれません。
しかし、進んでトイレ掃除を行うことで、自分の心が磨かれ、人の痛みが分かりやさしくできたりする、自分の成長にもなるのです。
また凡事徹底の精神については
どんなに大きな事をやろうとしても先ずは目の前にある事から始める事、
そしてそれを誰にも負けないほど徹底して行うことが大事だと言えます。
仕事や日常でもそうですが、小さいことの積み重ねがのちに大きな違いになって現れてくるのです。
掃除を積極的に取り入れ、掃除を通して会社や学校も変わり、はたまた地域も変わり、他者への配慮に満ちた社会に変化していくことでしょう。
掃除を行う際は「凡事徹底の精神」で継続していくことをぜひ心がけてみてください。