子どもに正しい片付けの手順教えられますか?
「言っても言っても子供が片付けをしてくれない」
「ちゃんと片付けのできる子に育てたい」
子育てを経験された方なら、そう思ったことも1度や2度ではないのでは。
なかなか言うことを聞いてくれない子どもたちにイライラしてはついつい叱ってしまう。
そしてそんな自分も嫌になる。
子どもたちに片付けをするよう、もっとうまく言い聞かせられる方法はないだろうか。
そんなお悩みを抱えている方に、ぜひ学んでほしい片付け本がありました。
それが2019年4月に出版された、「片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本」なのです。
藤原 友子さんは、整理収納アドバイザー
著者の藤原 友子(ゆうこ)さんは、この研究室チャンネルでも以前動画にした、整理収納アドバイザーをされている方です。
もともとはご自身も大の片付け嫌いでしたが、お子さんができ、モノがどんどん増えていく中で
どうやって子どもに片付けを教えるかを模索し、整理収納という効果的な片付けに出会って、人生が変わったそうです。
現在はケーブルテレビで番組コーナーを担当したり、セミナーを開いたりするなど、幅広く活躍をされています。
そんな著者の片付け方法や子育て術について、さっそく学んでいきましょう。
収納技やテクニックよりも大切なこと
冒頭、著者は「収納技やテクニックよりも大切なことがある」としています。
本書では「どのように収納するか」「どんな収納道具を使うといいか」ではなく、
子どもの片付けられる力をお母さんが引き出す方法や、日々の暮らしの中で片付けられる力を鍛える方法、
子どもを取り巻くモノとの付き合い方についてが書かれています。
それが著者の考える、「収納技やテクニックよりも大切なこと」なのです。
子どもと過ごす時間を、より充実したものにするためのノウハウが書かれているわけです。
大きく分けた6つの構成
そんな本書は大きく分けて、6つの構成となっています。
①「片付けなさい」ではダメ
②「選ぶ片付け」のやり方
③5つの収納テクニック
④親子でできること
⑤選ぶ片付けで子どもができるようになる5つのこと
⑥「選ぶ片付け」の最終目的
なぜ「片付けなさい」ではダメなのか
それではまず、なぜ「片付けなさい」ではダメなのかについて。
著者は、自身が幼少期に「片付けなさい」と言われ続け、
それが原因で片付けられないまま成長し、大人になってしまったそうです。
つまり、自身の経験からダメだと書いているわけですね。
子どもの片付け嫌いの原因は、「片付けなさい」と頭ごなしに命令してくるお母さんなのです。
では子どもにどう片付けを教えたらいいのか。
まずは自身が正しい片付けの順番を知っておかなければなりません。
自分がちゃんと知らないことを、子どもに教えられるわけがないんです。
その順番がこちらです。
①整理 不必要なモノを取り除くこと
②収納 必要なモノを使うときのことを考え、しまうこと
③整頓 見た目をきれいに整えること
④後片付け 使ったモノを元に戻すこと
まずはあなたがこの順番、そして片付け方を知ることが重要なのです。
そしてこの手順を理解したら、まずはお子さんと「モノを選ぶこと」から始めてみましょう。
ここでは必要なモノとそうではないモノを選ぶのではなく、
絶対に使う、好きだから必要、など、子ども目線で選ぶこと。
それにより子どもに大切なものへの愛着が沸き、収納も自発的に行ってくれるようになるのです。
これが「選ぶ片付け」なんですね。
つまり、「片付けなさい」の前に親がやることがある、ということを肝に銘じましょう。
親子でできること
ここからは親子でできることについてです。
まず、収納方法を子どもに考えさせようとあります。
いくつかの収納方法を提示し、最終的には子どもに決定してもらう。
例えば「どうやって収納するといいと思う?」「どっちが取り出しやすいと思う?」と聞くと、
子どもは一生懸命考え「こうしたほうがいい」と答えを出してくれます。
先ほどのラベルに関しても、子どもにどのように書いたらいいか、どんなラベルだと片付けたくなるかを考えさせ
実際子どもに作ってもらいましょう。
自分で作ったラベルを貼ると、その場所に戻さないといけないという適度なプレッシャーがかかり、
片付けをしてくれるようになります。
また、子どもの選ぶ力を鍛えるには、買ったり与えるときのことを考えるのも重要です。
まず、安いことが必ずしもお得ではないということ。
結果的に子どもがあまり気に入らず使わなければ、安くても意味がありません。
逆に高いモノだとしても、子どもが気に入って何度も使うなら、そのうち使えなくなったころに、
「使い切った」という満足感と感謝が生まれます。
安いから買うのではなく、子どもと一緒に使うときのワクワクを考え、必要なモノを追求しましょう。
選ぶ片付けで子どもができるようになる5つのこと
では選ぶ片付けをするようになったで子どもが、出来るようになることとは何か。
ここでは5つのことが書かれています。
「選ぶ片付け」
次は「選ぶ片付け」のやり方について。
ここで大事になってくるのは「捨てるモノ選び」ではなく「必要なモノ選び」をするということ。
誰でも捨てることを人に決められたくはないですよね。
ご自身の洋服を家族に「いるのいらないの?」「もう捨てたら?」などと言われたらどんな気分でしょうか。
同じことをお子さんに言ってはいないでしょうか。
子どもにしっかりと自分で決断させることが、その先の片付けに影響を与えてくるのです。
また、本書では実際に数人のお子さんの例を出し、おもしろく、また実践的な片付け方法も紹介してくれています。
ぜひ本書でご確認下さい。
5つの収納テクニック
次は5つの収納テクニックについて。
このテクニックに関しても、本書の画像とともに学んでいただいた方がよりわかりやすいでしょう。
ですので今回はその中のひとつをご紹介します。
それは「ラベルを貼ること」
必要なモノ、好きなモノを選び、収納場所を決めたら、著者は必ずラベルを貼ってほしいとしています。
この目的は、モノを出し入れする際に迷わないようにするため。
そして空のときでも他のモノを入れないようにするため。
ラベルは100円ショップなどに売っているシールで十分とのことなので、気軽にできますよね。
子どもにもわかりやすく、且つ喜んでもらえるのもポイントですので、ぜひ実践してみてください。
①片付けの楽しさを知ることが出来る
これは「選ぶのが楽しい」「お気に入りが残るのが楽しい」だから片付ける、といった
「選びたい」というエネルギーです。
これによってやる気が長続きして、さらに工夫しようとしてくれます。
②正しい片付けを理解出来る。
子どもには整理や収納の概念などを言っても難しいですよね。
ですが選ぶ片付けが出来ると、自分で引き出しの中のモノを全て出し片付けを始めたりしてくれるようになります。
しっかりと伝わっているということです。
③自分の考えや気持ちを言葉に出来る
例えばおもちゃの車をただ好きだと言うのではなく、「消防車ごっこに使う車だから好き」と言うなど
しっかり気持ちや理由を語ってくれるようになります。
つまり、子どもの成長にも繋がっているのです。
④モノと上手に付き合うことが出来る。
これは、必要なモノを大切にして、そうでないモノとはお別れし、他に必要としてる人に譲ることが出来ると言うこと。
これは出来ない大人もたくさんいます。
⑤自信を持つことが出来る。
これは「自分で出来ることが増えた」という自信と、「お気に入りがあるから大丈夫」という自信です。
自分が心から大切にしたいモノを見つけ、それが十分に価値があるとわかることで自信が持てるのです。
「選ぶ片付け」の最終目的
ここからは最後、「選ぶ片付け」の最終目的について。
これはずばり、選ぶ力を育む時間、すなわち親子のかけがえのない時間を持つと言うこと。
子どもと一緒にあなた自身も選ぶ楽しさを味わい、笑顔になることで、子どもにも喜びと安心感を与えてあげましょう。
そしてこれはあなたの、片付けや本当に大切にしたいモノの考え方にも繋がってくるでしょう。
以上、「片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本」のご紹介でした。
研究結果
さてここからは、研究結果についての発表です。
お片付けの第一歩、それは、、、
子どもと一緒に、必要なモノ選びをすること。
「片付けなさい」と叱るのではなく、お子さんが何を本当に必要としているのかを、子ども目線で一緒に考えてみましょう。
そうすることで、お子さんの片付けに対する意識は変わり、また、あなた自身の片付けにも影響が出てくるはずです。