汚部屋の人ほど才能?
部屋が汚い、部屋が片付けられないと言うと、普通はネガティブなイメージを抱いてしまいますよね。
散らかっている部屋を想像して、素敵だなと思う方はきっと少数派でしょう。
片づけ、断捨離ブームの昨今では尚更です。
世の中には汚部屋という言葉があります。
普通ならまったくいいイメージが沸かないこのワード、しかしそれが才能のもたらす結果だとしたら?
片づけの才能、ではなく、部屋が汚いのが才能。
そんな片づけが苦手な方に勇気を与えてくれそうなタイトルの本がありました。
それが2019年9月に出版された、伊藤勇司さんの著書「あなたの部屋が汚いのは、才能がありすぎるから」です。
伊藤勇司さんは空間心理カウンセラー
著者の伊藤勇司さんは空間心理カウンセラーであり、日本メンタルヘルス協会公認の心理カウンセラーでもあります。
これまでにセミナー、講演やセッションなどでサポートを行った人数はなんと1万人以上と、数多くの汚部屋を救ってきた方です。
「部屋が汚かったら片づけましょう」ではなく、「あなたの部屋が汚いのは、才能がありすぎるから」というポジティブで他の片づけ本とはまったく違ったタイトルの本書、どんなことが書かれているのかさっそくご紹介していきます。
冒頭、著者の伊藤さんは片づけることをゴールにした片づけではなく、人の才能を開花させる為に片づけを活かしてみませんか、と提案しています。
そして、汚部屋の人ほど才能があると言っても過言ではありません、とも。
これらはいったいどういった考えから基づいているのか。
本書は大きく分けて3つの構成となっています。
チャプター①
どんな人生を過ごしたい?答えられたら部屋は片づく
チャプター②
あなたには実はすごい可能性がある!才能を見つける片づけ術
チャプター③
それでも片づけられないあなたにやる気が出る、伊藤流アドバイス
まずはチャプター①から見ていきましょう。
どんな人生を過ごしたい?答えられたら部屋は片づく
「あなたは、どんな人生を過ごしたいですか?」
著者は、この質問に答えられたなら、すでに部屋は片づいている、と断言しています。
なぜなのか。
それは、片づけとはゴールではなく、理想のライフスタイルで生活するうえでの、プロセスの行動だから。
だからこそ、片づけの前に、どんな人生を過ごしたいかという、人生におけるテーマや、それに伴うルールを決めようと書いています。
このルールについて、著者は4つの人生ルールを掲げています。
自分のあり方についてのルール
これは人生において大切にしたいこと、どんな自分でいたいかを決めるということです。
快適感情を得るためのルール
快適感情とは、片づいたあとに待っている喜びの感情のこと。
つまりそのために何ができるのか。
玄関の靴を揃えるなど、毎日どんな工夫ができるかを決めるのがこのルールです。
人間関係におけるルール
これはどんな人と一緒にいれば、自分が自然体でいられるかを指しています。
嫌な人と過ごしたり、どうでもいい誘いを断われなかったりすると、時間や労力の無駄遣いになり、片づける気力もなくなってしまいます。
つまりどんな人と一緒にいたいかを考えるということ。
環境要因についてのルール
本書ではこのルールについてが1番詳しく書かれていますが、空間心理カウンセラーでもある著者は、部屋が散らかる人ほど、自分の才能がいかされない過ごし方をしている、と書いています。
部屋が散らかっている人の中には、本来はクリエイティブな仕事が向いているのに、実際は事務をしていたりする。
そんな例を数多く見てきたからだそうです。
そして、汚部屋が才能としているのは、才能とは特定の環境下で無意識的に繰り返してきた行動だから、ということ。
つまり自分が無意識で繰り返している習慣を客観視できれば、それが自らの才能を理解することにつながる、というわけです。
それらを含めたうえで、あなたがこれまでに身を置いてきた場所、家や学校、職場やカフェなどの中で、いきいきするのがどんな環境かを考えてみようということですね。
才能を見つける片づけ術
次はチャプター②、才能を見つける片づけ術についてです。
ここからは隠れた才能を発掘する片づけの実践編となっています。
この才能というのが5つに分類されます。
①アーティスト系
②スター系
③ファッショニスタ系
④ヒーロー系
⑤隠れリーダー系
この分類方法、自分がどれに当てはまっているのかは、本書の才能別チェック表で実際に確認していただければと思います。
さらに本書では、その系統のモデルさんの例を詳しく書いてくれているので、とてもわかりやすい内容となっています。
すべてはご紹介しきれないので、今回はアーティスト系のついて詳しく見てみましょう。
アーティスト系は「わが道を行く」タイプ
この系統の方は、いつもカバンが荷物でいっぱいだったり、フットワークが軽く、好奇心が強く、興味がないことに時間を使いたくない、などの項目にチェックが入った方です。
そんなアーティスト系だったあなたは「わが道を行く」タイプ。
自分なりの哲学や信念を持って、独自の世界観を表現することで、自分も周りも豊かになっていくような、プラスの影響力を生み出す人。
世の中の人がアッと驚くようなアイデアを生み出したり、寝食を忘れてものごとに没頭できたりします。
フリーランスとして独立して、時間に縛られない働き方をするのが向いている。
そしてここからが本題ですね、部屋の状態。
今の部屋はいかしきれていない物であふれかえった物置部屋になっている方が多いようです。
そんなアーティスト系がまずやるべきことは、「捨てる」
アーティスト系のあなたにとって捨てる定義は、自分の価値観を明らかにすること。
捨てること自体が目的なのではなく、価値観を大切にできる自分を築くことが大切なのです。
そのためにはまず、家の中にある「好きなもの」を発見する宝探しをしましょう。
そしてどうしても残したいものだけを残すよいうにしましょう。
捨てる行為を通して自分を洗練させていくイメージを持ち、自分がどう感じるのかについて、敏感でいる習慣をつけることが大切だということです。
そんなアーティスト系の人は、まずはリビングから片づけるのが良いようです。
直感的にリビング全体の違和感を見つけたり、家具のズレを整えたり、テーブルを飾ったりしてみましょう。
そうすることで、リビングがゆっくり休める、弛緩する場所となり、才能が発揮されるのです。
まとめると、あれこれ手を出しすぎて自分を見失わないよう、大切にするべき自分を思い出せる部屋づくりをすることが、大切です。
このように自分にどんな才能があり、何をすればそれが活かされるのか、ぜひ本書で確認してみてください。
やる気が出る、伊藤流アドバイス
最後にチャプター③、ここではそれでも片づけられない人へのアドバイスが書かれています。
中でも面白いと感じたアドバイスが、猫背を治すといこと。
片づけられないと悩む人ほど、猫背で気弱そうな印象の方が多いそうです。
これは心理カウンセラーならではのアドバイスかもしれませんね。
他にも夜型から朝方へ、小物をきれいにする、など、根拠に基づいたアドバイスが書かれています。
参考にしてみてはいかがでしょうか。
以上、あなたの部屋が汚いのは、才能がありすぎるから、のご紹介でした。
研究結果
ここからは、研究結果についての発表です。
今回の研究結果、それは、、、
自分なりの「マイルール」を定めること!
先述したように、快適感情を得るためのルールを設けることが、お片づけの第一歩です。
決して難しいことではなくていいので、毎日やれることをまずは一つ、見つけてみましょう。
例えば、毎朝必ず靴を揃える、だとか、夜ダイニングテーブルの上には何もない状態にしてから寝る、など。
自分がやれると思ったことを実践してみましょう。
まずは小さいことでも実際にやってみること。これが重要です。
何もやらなければこれまで同様、もしくはもっと酷い結末が待ち受けているかもしれません。
今回ご紹介した本は、まず自分が何系かを知ることから始まります。
「マイルール」を定め、実際に本書で自分の才能、自分にあったお片づけを探してみてください。