「物を減らせば「空間」の贅沢さに気づく」
突然ですが、いつも家がモノで溢れかえってる。どうにかしたいけど捨てられない。
と悩んでいる方がいたら、あなたはなんとアドバイスしてあげますか?
かつての高度成長期の頃から、日本はたくさんのモノを生産し、「消費は美徳」といわれ、
人々はモノを持つことこそ「豊かな生活」であると信じ込んできました。
ですが昨今の「断捨離」や「ミニマリスト」のブームが指し示す通り
モノに対する考え方、価値観が時代とともに変化してきています。
諸外国と比較して、現代の日本人の暮らしは衣食住のバランスが悪く
住宅サイズに比べ「モノ」が圧倒的に多いと言われています。
今回ご紹介することを実践していただくと、
人間が人間らしく生きるためには「空間」が必要である。
という学びを得られることでしょう。
「モノを中心にした生活から脱却しよう」
それでは具体的な方法を解説していきます。
一言でいうと「モノを中心にした生活から脱却しよう」です。
モノは所有すればするほど、それを置くスペースが必要です。
私たちはつい「モノは財産」と考えがちですが
所有するだけで家賃というお金がかかる面もあります。
こうした考え方は、
在庫管理を要する業態の経営者には、心得ている方も多いのですが
一個人となると、どうしても物欲にとらわれて失念してしまいがちです。
ここでは、「モノ」の本質と付き合い方について
3つのポイントに絞ってご紹介していきます。
1.いつかかならず、捨てる日がくる
2.モノを減らせば、考え方が変わる
3.「空間」という贅沢を想像しよう
ここからさらに詳しく、これらを一つ一つ解説していきます。
1.いつかかならず、捨てる日がくる
まずはじめに「いつかかならず、捨てる日がくる」について解説していきます。
「モノは持っているだけでお金がかかる」というと
反論したくなる方もいるかと思います。
「持ち家だし広いから、モノの置き場には困っていない。」と、
環境に恵まれている人は思うかもしれません。
ですがモノの所有にお金がかかるのは、スペースだけではありません。
いつか必ずやってくる「捨てる」時にも、費用が掛かるのです。
私たち人間は、誰でもいつか天寿を全うする日がやってきます。
悲しいことですが、そんなとき、残されたたくさんのモノを、誰かが処分しなければなりません。
もちろん、モノによって売却が可能であったり、譲渡することで次の方に使って頂けたり
遺産の処遇には選択肢があります。
ですが遺族のみで、その全てを適切に処理することは困難を極めるでしょう。
モノをためてしまう人は、買った時の価値がそのまま続くと考えてしまいがちです。
「このソファはフルセットで30万したんだ」
「このコートは20万を超える特注品なんだ」
そう考えると、たとえ使ってなくても財産のように思ってしまいます。
ですが、市場価値というのは時として非情ですから
当時高価であっても、現在において欲しい人がいなければ、
それが価値として反映されないのです。
時間と手間を惜しみなくかければ、欲しいと言ってくれる人が見つかるかもしれませんが
残された家財の一つ一つに、そのような時間をかけることは
それこそ膨大なコストとなってしまうのです。
2.モノを減らせば、考え方が変わる
続いて「2.モノを減らせば、考え方が変わる」について解説していきます。
まだ使えるモノや、いつか使えそうなモノを処分することは非常に心が痛むものです。
いらないモノに囲まれていた経験があり、そこから抜け出せた経験がある人は
その後の買い物には慎重になります。
何かを買おうと思っても「前にも似たようなものを買って使わずに捨てちゃったなぁ」
という苦い経験則から、余計な買い物を控えるようになるのです。
これは、モノを捨てる経験をしてきたからこその判断です。
モノを貯めこんだままの状態では、この「捨てることのつらさ」が分かりません。
そういう人は「安いから」や「タダで貰えるなら」と物が増えることに躊躇いがありません。
そうなると家は簡単にモノで溢れていってしまうのです。
モノを減らしてみると、「買わない選択」が出来るようになります。
買わずに今あるものを大切に、長く上手に活用する。
モノに愛着がわき、経済的にも環境にも優しい生活が送れるようになります。
逆にモノを買いすぎる人は、いつもものと格闘することになります。
「せっかく買ったのに置くスペースがない!」
「もう洋服がしまえない!」「どこにしまったか忘れちゃった!」
これらはすべてモノとの闘いです。
片付けと称して荷物をあっちこっちと移動しては、無理やりスペースをつくり
新しいものを置く。
そうしていくうちに居住空間は、みるみる狭くなり、人よりモノが主役といわんばかり。
せっかく生活を豊かにしようと手に入れたモノに支配されてしまっては
本末転倒です。
モノは一定量で制限してこそ、共存ができるのです。
3.「空間」という贅沢を想像しよう
最後に「「空間」という贅沢を想像しよう」について解説していきます。
モノが少ない生活は、モノを買わないからといって、生活が貧しくなったり
不便になったりするわけではありません。
むしろ、ゆとりのある居住空間が手に入り、経済的にも無駄がなくなります。
特に「空間」においては、モノを減らして得られる最たる
贅沢と呼べるものでしょう。
空間とは物を置く場所ではなく、空けておいてこそ
心のゆとりを生みだし、ストレスを軽減します。
例えば、隣のテーブルとの間が数センチしかないようなレストランで
食事をするのと、空間にゆとりがあるレストランでは
その居心地に大きな差がありますよね。
高級レストランや居心地の良いカフェは「空間」をとても大切にしています。
一流ホテルがなぜ人をリラックスさせ、ぜいたくな気分にさせてくれるのかと言えば
高級な物品のほかに、こうして計算された十分な「空間」があるからなのです。
モノで埋め尽くした空間は残念ながら「物置き場」になってしまいます。
住空間にお金を費やすのであれば、過剰なモノで飾り立てるのではなく
逆にモノを厳選した、ゆとりある空間作りが必要になるのです。
もし周りを見渡してモノで溢れているようでしたら
一度、モノを減らした空間を想像してみてください。
きっと今よりも快適な暮らしが思い浮かべるられることでしょう。
【まとめ】
では最後にこの動画の考え方をまとめて振り返っていきます!
まず「モノを増やせば、いつか必ず手放すコストがかかる」ということ
そして「捨てる経験をすることで、モノを大切にする気持ちが生まれる」ということ
最後に「ゆとりある「空間」こそが贅沢である」ということでした。
増えすぎたモノを減らしていくことで、モノの価値を再認識し
空間の重要性にも気付けるということを学びました。
安価な海外製品が日本で多く出回るようになり
大量生産、大量消費のサイクルは益々活発になりましたが、
最近は、こうした文化に疑問を持つ方も増えてきました。
改めて本当にモノを大切にする時代というのが、戻ってきたように感じます。
モノを減らし、限られたモノを大切にし、空間のゆとりを楽しむ。
こうした生活スタイルが、これからの時代にあった贅沢なのかも知れませんね。