「脳の仕組みを知ることで、浪費グセを解消する」
今回は「脳の仕組みを知ることで、浪費グセを解消する」というテーマについて、
菅原 道仁(すがわら みちひと)さん著「そのお金のムダづかい、やめられます」をもとに考察していきます。
この動画を見ることによって、脳の仕組みを理解し浪費を抑えるテクニックについて学ぶことができます。
突然ですが、つい浪費する癖が辞められずお金が貯まらない。
もしそんなお悩みを抱えた方がいたらあなたはなんとアドバイスしてあげますか?
今回ご紹介することを実践していただくと、
脳科学の知恵を取り入れることで浪費癖を解消していくことができるでしょう。
それでは具体的な方法を解説していきます。
「衝動買いのカラクリを回避すること」
一言でいうと「衝動買いのカラクリを回避すること」です。
本書「そのお金のムダづかい、やめられます」の著者は脳神経外科医として活躍する菅原道仁さん。
そんな菅原さんが書いた本書の目的は「無駄遣いの本当の原因を知ること」でした。
菅原さん曰く、私達の脳にはすべて働き方の癖があり、
世間には脳の癖が反応するような方法で巧みに商品の販売戦略が設けられているというのです。
菅原さんが主張するのは脳の仕組みを理解し、衝動買いのカラクリを客観視すれば
「ほしい!」と衝動的な気持ちが芽生えた時にも冷静な自分を取り戻す糸口がつかめる、ということ。
そして、衝動買いを冷静に回避した上で、有意義なお金の使い方を意識できるというのです。
具体的な実践方法について、詳しく見ていきましょう。
ここでは衝動買いのカラクリを回避するコツについて
ポイントを3つに絞ってみました!
・買う気のない商品は、見ない、触れない!
・自分が理想とするライフスタイルの絵を描こう
・お金以上に時間の価値を認める
ここからさらに詳しく、これらを一つ一つ解説していきます。
「買う気のない商品は、見ない、触れない!」
まずはじめに「買う気のない商品は、見ない、触れない!」について解説していきます。
世の中のお店屋さんには「お試しサービス」が溢れています。
アパレルショップでは店員さんから「ご試着いかがですか?」と声を掛けられ、
家電量販店では、
マッサージチェアから調理器具まで、使用感のお試しやデモンストレーションで賑わっています。
いったいなぜお店はあんなにも「お試し」を勧めるのでしょうか?
この理由には、もちろん商品の機能や魅力を知ってもらうきっかけづくりの意図も含まれますが、理由はそれだけに限りません。
実は脳科学の分野でいうところの「愛着変化効果」と呼ばれる現象が関係しているとのこと。
愛着変化効果とは、実際に商品に触れると、
その商品に愛着が芽生え「この商品がほしい」という心理状態へ陥るように脳の仕組みが働く現象です。
つまり、お試しを通じて商品への愛着を引き起こすことを狙い、
企業は試着や試供品といったきっかけの機会を作っているのです。
この効果の偉大なところは、ほんの短期間の接触でも効果を示す点にあります。
ここで本書で取り上げられている具体例として、猫を飼いたい彼女と猫に興味がない彼氏のやりとりをご紹介します。
「家で飼えなくても良いから、1回だけでも抱っこしたい」彼女はペットショップへ彼氏を連れて行きます。
そして「試しに抱っこしてみたら?」と元々猫が苦手な彼氏に猫を接触させます。
すると不思議なことに、彼氏は猫に対して愛着変化効果が働き始めます。
そして猫に対して興味がなかった以前の状態には戻れないというのです。
この愛着変化効果について理解した上で菅原さんがおすすめする浪費対策。
それは
買う気のない商品は見ない、触れない、試さないこと。
これが衝動買いの浪費を回避するための鉄則ということです。
「自分が理想とするライフスタイルの絵を描こう」
続いて「自分が理想とするライフスタイルの絵を描こう」について解説していきます。
欲しくて買ったのに、買った途端に興味がなくなってしまった・・・
衝動買いから、こんな後悔をした心当たりはありませんか?
例えばあなたの過去の買い物で衝動的に「いま絶対にこれがほしい」と購入したものはありますか?
それはなぜ欲しかったのか、気持ちを思い返してみてください。
そこでもし、次のような動機が多くを占めるなら、注意が必要だということです。
・流行っている
・好きな芸能人が持っている
・期間限定だから
・割引中だから
本来、脳科学の観点からみても、
私達の脳は「みんなが持っているもの」や「期間限定のもの」を欲しくなる仕組みになっているのだといいます。
今買った方がお得かもしれないと感じた脳は、衝動買いを正当化するための理由を総動員し、私達の気持ちを騙します。
菅原さんが提案するのは、この衝動に支配されない自意識を持ちましょう、ということです。
また、この時に有効なのは「自分が商品を手にしたときの姿」を思い描くことだといいます。
有名人が持っている商品だから憧れる気持ちをグッと堪えて
「私がこの服を着て、どんな姿で、いつ、どの町を歩くのか」とシチュエーションを具体的に想像します。
自分が主人公だと思い浮かべ「実際、こんな華やかな服、来ていく当てがないな〜」と現実に戻れる可能性が広がりそうではありませんか?
自分が商品を手にして、いつどこで、どんな風に使うのか。
本当に自分に必要なものか見極めるために、ストーリーを描いてからお買い物を検討してくださいね。
「お金以上に時間の価値を認める」
最後に「お金以上に時間の価値を認める」について解説していきます。
浪費癖の解消について書かれた本書ですが、決してお金を使うことが悪だというわけではありません。
例えば「ちょっとのお金をケチって時間をかける行為」
つまり時間を浪費することは、お金の無駄遣い以上に勿体ない、そのように著者の菅原さんは警鐘を鳴らします。
極端な例でいえば、近くのお店よりも10円安いから、
30分かけて自転車で隣町のスーパーまで卵を買いに行くこと。
あなたの30分という時間は、10円以下なのでしょうか。
時間の使い方が上手な人は、お金の使い方についても理性的にコントロールできる傾向が高いと菅原さんは分析します。
反対に「5分くらいの遅刻ならいっか!」と時間を守れない人は、
300円、500円と少しのお金を浪費して、結局お金を貯められない特徴を持っているというのです。
「時は金なり」なんて言葉がありますが、「お金を大切にできる人は時間も大切にできる」と覚えておきたいですね。
お金は自分が過ごしたい時間を手に入れるための手段です。
手段としてのお金を得るために自分の時間を失ってしまっては本末転倒ですよね。
お金以上に時間の価値を認め、大切な時間をどう過ごすのか、意識して過ごしたいものです。
【まとめ】
では最後にこの動画の考え方をまとめて振り返っていきます!
まず「お店のお試しに触れなければ買いたい欲は抑えられる」ということ
そして「お金をケチって時間を浪費することに意味があるのか考える」ということでした。
お金を使う場面とは全て自分で選択したことのようで、
実は脳の信号によって支配されている。
本書は、そのようなことが分かる一冊でした。
衝動的に欲しいと思ったら
「なぜ自分はこの商品をいま強烈にほしいのか」自分自身の思考回路を俯瞰、つまり客観視してみることが大事です。
自分の思考回路を自己分析しているうちに
「今はお金を使わなくてもいいや」と欲求が収まる瞬間が訪れることでしょう。
一方で、お金はそれ自体を貯めることが目的ではありません。
自分の人生の中に優先順位をつけて、大切な物事に集中してお金を使える環境を作ること。
そのために、衝動買いを抑える工夫を取り入れてみてくださいね。