ディズニーの片づけは「効率」を最優先しない
ディズニーの片づけは「効率」を最優先しない
断捨離には限界がある!
この本は2013年に出版されたディズニーの片づけメソッドについて書かれた本。
著者の安孫子薫(あびこかおる)さんは、
東京ディズニーランドの開業前から運営会社オリエンタルランドでパーク内の清掃、安全安心を担当する「カストーディアル」セクションに携わり、
セクション責任者から、ディズニーランド・シーの運営責任者まで25年に渡り務めてこられた方です。
2007年には東京キッザニアの副総支配人も努め、まさにテーマパークの「プロ」
そんな安孫子さんが教える片付け、それがディズニーの片付けなんです。
ちなみに本書は、
経営者やマネージャー、クリエイティブなお仕事をされるビジネスパーソンの方に向けた内容になっております。
「世界一」の掃除、片付け
東京ディズニーランド・シーの運営部長をしてきた私(著者)は誇りをもって、
東京ディズニーランド・シーの掃除、片付けが「世界一」だと断言します。
いったいどうやって片付け、掃除をしているのか?
片付けのコツは何か?気になりますよね。
ディズニーの片づけがすごい理由、
それは・・・
「なぜ、掃除し、片付けるのか」「なんのために片づけるのか」それがはっきりしていることです。
ちなみに、結論をさきに伝えるとディズニーの片づけは「安全」が規準です。なぜ、安全なのか、それは後ほど詳しくお伝えします。
無機質で、人から言われてする片付け・掃除から、血の通った自分で決める片付け・掃除へ。
面倒な片付けから楽しい片付けへ、断捨離とは異なるディズニーの「遊び心」を取り入れた片づけを理解すればそんな新しい扉を開く魔法が使えるようになるよ。
そのメソッドを教えるよー
本書の構成
本書の構成について
1.なんのために掃除、片付けるのか?目的をはっきりさせる
2.マニュアルに縛られない片付けで仕事は楽しくなり、人間力もアップする
3.ディズニーの掃除片付けのルールについて
4.ディズニーメソッドを活用するためのヒント
1.なんのために掃除、片付けるのか?
なんのために掃除、片付けるのか?目的ははっきりしてますか?
目的は必ずしも一様ではなく、これが正解です。といった答えはありません。
あなたが何のために掃除、片付けるのか、まずはその目的をはっきりさせることが大事です。
ディズニーが片付けるのは安全のためと冒頭で紹介したが、なぜ安全が基準なのかわかりますか?
答えは「お客様のハピネス」のためです。
ディズニーには、お客様にハピネスを提供するための行動規準「SCSE」があり、
その中で最重要とされている「Safety(安全)」こそ、最大のホスピタリティなのです。
つまり、片づける「規準」である安全は、お客様のハピネスを最大化するためといえる。
効率が優先される商品の生産現場とは異なり、
テーマパークであるディズニーでは、礼儀正しさ、美しい景観、そして安全が優先されると理解しておきましょう。
断捨離には限界がある
そして、もう一つ
断捨離には限界がある理由。
断捨離を自発的にやるのは個人の好みの問題だが、オフィス全体や組織には極めて応用できないといっている。
なぜなら、断捨離の離はものへの執着から離れるという意味ですが、ディズニーのような創造的な仕事において、執着こそ大切な場合があるからです。
さらに、断捨離はあくまで「個人の気分の良さ」は得られるが、価値の創造とは直結していない。
ビジネスでは、片付けは必ず経営哲学、目指すものに基づいて行われるべきで、断捨離のようにある一定量になったら捨てるといった機械的な法則で片付けてはだめ。
つまり、ディズニーのように、創造的な仕事が求められる企業や組織に断捨離は向かない、
デスクに家族の写真を飾ったり、好きなフィギュアを飾ったり、スタッフの「遊び心」を取り入れた片付けが大事
2.マニュアル一辺倒の片づけではだめ。
マニュアル一辺倒の片づけではだめ。マニュアル+思考が大事。
「片づけろ!」「整理整頓しろ」というだけになっていませんか?
それでは雰囲気があるくなるだけだ。
片付けの指示をする立場の人は次のことを大切にするように。
「なぜ、片付けるのか」わかってもらうことが大切。
そうすることで、マニュアル一辺倒ではなく、そこで働くスタッフの思考がプラスされる。
従業員満足度(ES)が生れれば、顧客満足(CS)が上がり、めぐってESも向上する。
このプラスの循環を創り出すには、ちょっとしたアイデアでいい。なにもお金をかける必要はない
じゃ、何だったらできるか?
第一歩は後ほど。
3.ディズニーの掃除片付けのルール
まず、片づけ、きれい、とは何かを定義する。
きれいとはどのような状態なのか、片付いている状態とはどのような状態をさすのか、ディズニーの片づけ、掃除がすごいのは明確に定義されていること。
その定義のもとになるのウォルトの言葉に「毎日が初演」があるそうです。常に毎日がオープン初日の気持ちで、新鮮さと緊張感を維持して提供しようという想いが込められている。
その言葉を具体的に反映した
東京ディズニーランドオリジナル「パークの清潔さの基準」があります。
それは・・・赤ちゃんがハイハイできるレベル
どんなレベルか想像してみて下さい。大人が裸足で歩いても何ともないレベルであることは容易に想像ができますよね。
パーク内がいつも清潔に保たれている理由は、それは、このような世界一の基準をもったキャスト(スタッフ)がいるからなんですね。
もう一つ、片づけとは違うが、掃除の具体的なルールを紹介します。
掃除の鉄則は、上から下に掃除をする
しかし、ディズニーでは、テーブルの上よりも床が優先される。
何故だかわかりますか?
それは、テーブルが汚れているよりも、床が汚れているほうが、お客様の安全が脅かされるからです。
現場の細かいルールも冒頭で紹介した片づける目的、基準である「安全」に沿っている。
このようにディズニーの片づけ、掃除には一貫性の保たれている。
4.ディズニーメソッドを活用するためのヒント
ここで紹介する15のヒントはあくまでもヒントであり、これをコピーしたのは思考ではない。
片付けをするあなたの思考が必要。
どんなヒントがあるか、少し紹介すると
例えば、部署の垣根を超えた大部屋のオフィスは境界線があいまいになり、片付けの目が行き届かなくなる。
30坪程度で仕切ることで部署ごとに責任をもち片付けてもらう方がいい。
毎日全員参加で片付ける!
業者に任せない!
などがあります。
研究結果
やはり、ディズニー流片付けの特徴は遊び心!
そこで、今回の片づけの第一歩はものを減らすことではありません。
なにかというと、、、
職場に、お菓子を置いてみて下さい。
美味しそう!
これ、おいしー!
このお菓子なつかしー
などなど、あなたの遊び心を取り入れ、一緒に働く人の気分をちょっと楽しくして下さい。
遊び心であふれた職場になれば、片づけが楽しくなっているかもしれませんね。