「誘惑に負けず、よい習慣を身に付けるために必要なこと」
今回は「誘惑に負けず、よい習慣を身に付けるために必要なこと」というテーマについて、
佐々木典士(ふみお)さん著「ぼくたちは習慣で、できている。」をもとに考察していきます。
この動画を見ることによって、よい習慣はどのように身に付くのかということについて学ぶことができます。
突然ですが、
習慣を身につけたいことがあるけど、面倒くさくてなかなか続かない…
目標を立てても途中で挫折してしまって、いつも達成できない!
もしそんなお悩みを抱えた方がいたらあなたはなんとアドバイスしてあげますか?
今回ご紹介することを実践していただくと、
目標を達成するために必要な行動を習慣化し、最後までやり遂げることができるでしょう。
「目先の報酬の誘惑に負けず、行動を続けること」
それでは具体的な方法を解説していきます。
一言でいうと「目先の報酬の誘惑に負けず、行動を続けること」です。
本書では、行動の結果を報酬と罰則の2つに分けることができるとしています。
例えば、
「これ以上飲むと二日酔いになる(罰則)と分かっていてもついついお酒を飲みすぎてしまう(報酬)」、
「宿題や仕事を先延ばしすれば後で困る(罰則)のにスマホゲームで遊んでしまう(報酬)」
という経験はないでしょうか。
一般的に、後から受ける罰則を理解して、目の前の報酬を我慢できる人は「意志の強い人」だと考えられていますが
その考えは間違っていると著者は主張しています。
そしてよい習慣を身に付けるためにより最適な方法を提唱していますので
こちらの動画でご紹介させていただきます。
ここではよい習慣を身に付ける方法について
ポイントを3つに絞ってみました!
・なぜよい習慣を身に付けるのは難しいと感じるのか
・目の前の報酬に誘惑されないための方法
・よい習慣の3つの要素
ここからさらに詳しく、これらを一つ一つ解説していきます。
「なぜよい習慣を身に付けるのは難しいと感じるのか」
まずはじめに「なぜよい習慣を身に付けるのは難しいと感じるのか」について解説していきます。
ずばり、よい習慣を身に付けることが難しく感じるのは、
目の前の報酬と、将来の報酬が矛盾しているからです。
お菓子を食べることを例に考えてみましょう。
「目の前の報酬」
目の前のお菓子を食べること
「将来の報酬」
お菓子を我慢して健康的な肉体を得ること
目の前のお菓子を食べると健康的な肉体が得られず、
健康的な肉体を得ようとすると、目の前のお菓子が食べられなくなってしまいます。
つまり、2つの報酬を両方得るには矛盾が生じてしまうのです。
この場合、健康的な肉体を手に入れるために、目の前にあるお菓子を我慢するのはなかなか難しいですよね。
実は、我慢ができない原因は、人間が生まれながらにしてもつ、双曲割引という性質にあるのです。
★双曲割引とは…目の前の報酬を過大評価し、将来の報酬を過小評価してしまう性質のこと
なぜ双曲割引が人間に備わっているかというと、
大昔、狩猟採集で手に入れる食べ物は貴重で、見つけたらすぐに食べることが鉄則だったという当時の名残があるからです。
しかし、現代の日本では食べ物が常に手に入ります。
むしろ、高カロリー食品の誘惑に打ち勝ち、運動をしてカロリーを消費することが求められるようになりました。
つまり、人間の性質が狩猟採集時代のままなので、よい習慣を身に付けることを難しく感じてしまうのです。
「目の前の報酬に誘惑されないための方法」
続いて「目の前の報酬に誘惑されないための方法」について解説していきます。
目の前の報酬に飛びついてしまう原因を詳しく解明するために、マシュマロテストという実験について紹介します。
★マシュマロテストとは…5歳の子供の前にマシュマロを置き、2つの選択肢を与えてどのように行動するかをみる実験です。
選択肢① すぐに目の前のマシュマロを1個食べる
選択肢② 目の前のマシュマロを食べずに、20分間1人で待つともう1個追加でもらえる
テストの結果は、マシュマロを食べずに待てた時間は平均6分で、
3分の2の子供は、すぐに目の前のマシュマロを食べてしまいました。
ここで注目したいのは、我慢できた子供とできなかった子供の違いです。
マシュマロをすぐに食べてしまった子供は、待っている間マシュマロを見続けていました。
一方、我慢ができた子供は、歌を歌ったり目を閉じたりして、マシュマロを意識しないようにしていたのです。
また、マシュマロテストを同じ子供に何度も行うと、
マシュマロを我慢すれば2個食べられるということを学び、20分間我慢することができるようになっていきます。
これは、人は報酬を何度も受け取ると、報酬の大きさは変わっていないのに小さくなったと感じるという性質があるからです。
何度も目の前の1個のマシュマロを食べていると、その喜びが小さくなっていくということですね。
さらに「マシュマロは偽物だ」「マシュマロを雲だと想像してみて」などとアドバイスをしてテストをすると、待ち時間が延びたという結果もあります。
つまり、意識的に目の前の報酬から目をそらす工夫をし、何度も同じ行動を繰り返すことによって、
将来の報酬のために目の前の報酬を我慢することができると言えるでしょう。
「よい習慣の3つの要素」
最後に「よい習慣の3つの要素」について解説していきます。
習慣を理解するためにその性質を理解しましょう。
ここでは本書で取り上げられている習慣の3つの要素
「トリガー」「ルーチン」「報酬」についてそれぞれ見ていきます。
「トリガー」
行動を起こすきっかけのことで、5種類にわけられます。
- 場所
- 時間
- 心理状態
- 自分以外の人物
- 直前の行動
お酒が飲みたくなるトリガーの例としては、
居酒屋(場所)・風呂上がり(時間)・ストレスが溜まった状態(心理状態)・友人との飲み会(自分以外の人物)・運動で汗を流したこと(直前の行動)などです。
「ルーチン」
トリガーがきっかけで始まる行動のことで、乱れた心を調律する役割もあります。
例えば、ラグビーの五郎丸選手がキックの前に毎回同じポーズを取るというルーチンは有名ですよね。
練習と同じようにルーチンを行うと、気負うことなく普段のパフォーマンスを発揮することができると言われています。
「報酬」
ある行動の結果に得られるものが報酬で、これには様々な種類があります。
例えば、激しい運動を行うのは疲れるだけで報酬にはならないと考える人がいる一方で、運動をすることに快感を見出す人もいるように、
報酬の捉え方は人それぞれです。
それでは、運動を報酬(快楽)だと感じられるようになるためには、どのようにしたらよいでしょうか?
運動が楽しいと感じる人は、運動の習慣が身についている人でしょう。
運動というよい習慣を身に付けるには、運動のつらさに慣れて、運動後の達成感のとりこになるような感覚が必要です。
これは、ビールで例えるならば、ビールは最初苦いだけの飲み物ですが、だんだんと苦みがやみつきになる感覚と一緒ですね。
つまり、最初は大変でも、続けていくことで次第に快楽の感覚が得られるということです。
そして、実際に習慣を身に付けるために、これら3つの要素をうまく生活に取り入れてみましょう。
★朝起きた時にストレッチをする習慣を身に付けたい場合…
- 寝る前にヨガマットを敷いておく(トリガー)
- ストレッチをする(ルーチン)
- 良好な体調(報酬)
このように取り入れたい習慣のトリガーを簡単に引けるようにしておくと、その後のルーチンにつながりやすくなりますよ。
【まとめ】
では最後にこの動画の考え方をまとめて振り返っていきます!
まず「よい習慣は、意思の強さではなく、目の前の誘惑を回避することが大事」ということ
そして「行動を習慣化するために、最初はつらくても繰り返し行動する」ということでした。
自分は意志が弱くて習慣化できないと悩んでいる方は、
まずは目の前の誘惑を避けるという方法で、よい習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。
そして自分のライフスタイルにあわせてルーチンをつくり、実行しつづけてみてください。
始めは苦しいと感じることがあっても、続けていくことで、だんだんと楽しめるようになるでしょう。
また、本書には、より具体的に習慣化するための50ステップも紹介されています。
実践する際に役立つ情報ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。